うちはサーバーのハードディスクを故障の有無に関わらず定期的に交換(2~3年に1回、それ以外でも S.M.A.R.T で確認して少しでも異常があった場合も交換)しています。
RAIDを組む手もあるのですが、対障害性という意味で RAID を余り信用していない人なので、大抵はサーバーをリニューアルする時に OSドライブは同じ機種のHDDでクローンを作っておき密封して保管。データドライブは外付けに定期的にバックアップした上で、DVD にもバックアップをするというやり方をしています。
壊れる前に交換をしている訳ですから、外したハードディスクはフォーマット(NSA標準方式)して「まぁ、壊れていないし、いつか使うかもしれんしな。ワーク用として使うかもしれんし」
そんなやり方をしていると、どんどんハードディスクが溜まっていく訳です。(^-^;
実際の所、そうやって保管しておいたハードディスクを再利用することは滅多に無く、必要になった時は容量的な話で新規で買ったりします。
そんな訳で、先日からハードディスクの処分をしています。
処分予定の HDD の一部。
大半が IDE ですが、Wide SCSI や SATA も若干あります。
一応 NSA方式でフォーマットしているし問題は無いんですが、使える状態で捨てるにはちょっと抵抗がある(中古ショップなんかでは古いハードディスクの買取をしている所もあるようなんですが)
ということで分解してプラッタにガリガリと傷をつけてから処分しようってことなりました。
そこで問題が1つ。
古いハードディスクはプラスネジだったりしますがほぼ全てがトルクスネジという星型のネジが利用されています。
T10 サイズであれば、まだ、マイナスドライバを駆使?してあけることも可能ですがハードディスクに使われているねじは T8 や T6 と更に小さいねじです。
精密マイナスドライバを1本欠けさせた所で、ちゃんとした奴を買おうと言うことで
アネックス(ANEX) スーパーフィット精密両頭差替ヘクスローブドライバービット3本組セット ケース付 No.3602を購入。
Amazon で \2,028(送料無料)でした。
T3 から T8 まで対応しており、先端のビットだけを交換するのではなく、スティックの両端にビットがついているので非常に丈夫です。
届いてから結構な数を分解しましたが、壊れる気配なしでお勧めです。
ホムセンや100均の物は最低サイズが T10 だったりするので使えません。あったとしてもノーブランドだとすぐに壊れる可能性が高いです。
少し脱線しますが、バイクのレンチなんかもよく使うサイズは Snap-on 使ってます。利用頻度の高いものは良い品を使うのが絶対にいいです。
てなことで、早速分解。
大抵見える位置に4本程度、シールの下に1,2本ネジが隠れています。
ハードディスクは基本的に準密封構造ですので、ネジを外したらマイナスドライバを突っ込んで捻って蓋を取ってしまいます。
プラッターと呼ばれる磁性体です。これにデータが記録されています。フロッピーディスクが軟らかい磁性体に比べて硬い所がハードディスクといわれる所以です。(本体も硬いってのもありますが)
非常に滑らかな表面で鏡に近いです。
鳥除けやコースターの変わりになるかも(笑)
プラッターを回転させる為のモーターと軸受けやベアリングのセットです。
「流体軸受け」とか書いてあるのはこの部分の事です。
ハードディスクの電源を入れると「シュイーン」と音がなるのはこのモーターが回転している訳なんですね。
プラッターを挟むように配置されている磁気ヘッドです。
これがピコピコと動いてデータを読み出したり書き込んだりします。
よく聞くハードディスクの異音で「カッコンカッコン」と音が鳴るのは、これが正常に動作しない為です。
磁気ヘッドを制御する磁石です。(磁気ヘッドはコイルによる制御が行われている為)
ネオジム磁石と呼ばれる、非常に強力な磁石です。
張り合わせると大人の力でも剥がす事は困難です。
くっつけても突起があれば、そこをペンチなどで引っ張ればなんとか外せますが、突起がない状態で平らな鉄板につけたらまず剥がせません。
いかにも子供が好きそうな物でもあるんですが、下手に触らせると指挟んだりして怪我したりしますし、磁力自体も非常に強力ですので、遊び用に取っておこうとは余り考えないほうがいいかもしれません。
あとは、裏面に制御用の基盤がついているという感じですね。
参考までにここまで分解していますがハードディスクを処分する際には、このプラッタを壊せば確実ですので、ここまでバラす必要はありません。
蓋を開けて、プラッタ全面にガリガリ傷をつけたり、端っこをペンチで曲げてもいいです。
トルクスドライバーがあれば、2,3本のネジを外せばプラッターは取り外せますので、処分前にプラッターだけ出しておくのが確実ですね。
(傷をつけていないところのデータは読み出そうと思えば読み出しが可能なので、取り出して、切ったり曲げたりするのが確実です)
プラッタさえ取り出せば、安心してリサイクルに出すことができます。不燃で捨てても良いのですが、実はハードディスクは非常に大きなリサイクル資源になります。
1)アルミダイキャスト製のケース。
3.5inch の HDD で重さはおおよそ 500g くらいあります。
(薄型などはもっと軽いです)
アルミ缶の 350ml が1本 15g 程度ですので、約33本分です。
細かくいうと、殆どが削りだしのケースですので、再利用しやすい形状とも言えます。
黒い部分はおそらく塗料ですね。薬品で落とせばアルミの塊になると思います。
2)基盤など。
携帯電話の回収サービスなどが行われていますが、基板上には金などが使われていますので、溶かしてリサイクルすることができるらしいです。
3)ネオジム磁石
レアアースという言葉を聞いたことがある人は多いと思いますが、このネオジム磁石にはレアアースが使われています。
家電リサイクル法でエアコンや冷蔵庫などが回収対象になっているのは、ネオジム磁石などを回収する為でもあります。
(まだまだコストは掛かるようですが)
このようにハードディスクは小さいながらも殆どが金属リサイクルできる部品で構成されているので、ただ捨てるのではなくリサイクルに出すことをお勧めします。
少し地元の話になるのですが、実は静岡県浜松市では今年の3月から小型家電製品のリサイクル回収を行うようになりました。
地元の公民館などに回収ボックスが設置されており、公民館が開いている時間であれば、いつでも捨てることができるようになりました。
自治体によって変わるとは思いますが、完全に処分するハードディスクなどは、このようにプラッタを取り出して残りはリサイクルに出すのが良いですね。