Microsoft から Windows 8 DP (Developer Preview)が公開されました。
経験則から偶数版は今ひとつ（98 - XP - 7 は良かったが、Me - Vista は微妙）と思っていたのですが、タブレットPC用になっているってこともあって、せっかく IconiaTab があることだし。という事でインストールしてみました。

ただ、プレビュー版だし気に入らなかったら Windows 7 に戻したいということもあり、まず IconiaTab のバックアップから。

用意したのは
１）USB メモリスティック (4G)
２）SanDisk SDカード(4G)
３）外付け USB HDD
４）外付け USB DVD-R
５）USB キーボード

バックアップは Windows 7 標準のバックアップから行いました。

ａ）３の外付けHDDにまず、システムリカバリ（C:)と起動ドライブ（D:）を普通にバックアップします。

ｂ）次に外付け USB DVD-R に Windows 7 のシステム修復ディスクを作成します。

ｃ）DiskPart.exe を使って２の SD カードをブート用ディスクにします。
@IT diskpartを使ってWindows Vista／7のインストールUSBメモリを作るを参考にして頂ければ良いと思います。

ｄ）ｂで作ったシステム修復ディスクをｃで作った SD カードにコピーします。（エクスプローラからコピーでＯＫです）

これでバックアップは完了です。

リカバリするには

ａ）IconiaTab の USB1 にUSBキーボードを接続します。

ｂ）BIOS を起動します（Winキーを押しながら電源On して、直後に F2 を連打していれば起動します。）

ｃ）Boot Sequence に USB HDD として SDカードが認識されていますので、Save して BIOS 終了。

ｄ）SDカードから Windows7 修復ディスクが起動します。

ｅ）USB2 に外付け HDD を繋ぎます。（IconiaTab 購入時にも書きましたが、USBx2 の強みです。USBx1 だと USB HUB が必要でバスパワーとかの問題で接続に制限が出そう）

ｆ）あとは普通にリカバリすれば復旧できます。

＊修復ディスクでは、タッチパネルのドライバが組み込まれていないので、画面をタッチで選択ができません。
それもあって、USB キーボードが必要です。（多分 Blue Tooth ドライバも入って無いと思うので）



さて、バックアップ＆リカバリ環境が出来上がった所で、Windows 8 DP のインストールです。

http://msdn.microsoft.com/en-us/windows/apps/br229516

こちらから DP版のダウンロードが出来ます。

次に、Windows7-USB-DVD-tool をダウンロードします。

http://www.microsoftstore.com/store/msstore/html/pbPage.Help_Win7_usbdvd_dwnTool?network=AffiliateWindow

これは、ISO イメージを USB メモリスティック等に書き込む為のソフトです。

上記２つを使って、１の USB メモリスティックに Windows 8 DP 版を書き込みます。（4G のメモリスティックを使ったので、余裕のある 32bit版を入れました。64bit の開発者用は 4.8G 位あるので、そんときは 8G を使えば良いでしょう）

リカバリの時と同じ手順で Win8DP をインストールした USB メモリと USB キーボード差して、インストールCD?を起動します。

Win7 では IconiaTab のタッチは効きませんでしたが、Win8 ではインストール時からタッチパネルが有効です。

New Install ではなんかエラーがでましたので（多分容量足りないから）Custom Install で起動ドライブを選択して上書きインストールしてしまいます。



インストール中・・・スクリーンショットが撮れないのでデジカメで撮影です。

インストール自体は、３０分も掛っていなかったと思います。



管理者の設定。タッチパネルも余裕で動きます。
（IconiaTab の場合同時４ポイントまでのマルチタッチに対応しています。）
Win7 のソフトウェアキーボードは正直微妙だったのですが、Win8 のソフトウェアキーボードは秀逸です。
数字がテンキーで入力出来るのは非常に大きいです。
（欲を言えば、数字の上下が逆だと良かった）

Wireless LAN の設定もルーター側で DHCP を有効にしておけば勝手に認識して勝手に繋がるようになります。



環境設定中。なぜか結構時間がかかります。２０分くらい放置していたら、勝手に終わっていました。



メトロスタイルとかいう状態で起動。
動作はかなりサクサクヌルヌル動いて、かなり良い感じです。操作がまだわからないストレスはありますが、タッチの感触や移動、スクロールに関しては iPad と遜色ありません。



デスクトップを選ぶと、いつものデスクトップです。
Windows Explorer からマイコンピュータとかドキュメントやらに普通にアクセスが可能です。
SDカードなどもそのまま認識しています。



まっさきにアクセスしたのが \Windows\System32\Drivers\Etc\hosts です（笑）

うちのネットワーク環境は、内向きDNSサーバーも置いてあるのですが、動作テストの為に hosts で設定をしてサーバーにアクセスする関係で、これが編集できないときっついのです。（ぶっちゃけ内向きDNS は iPad でこういうのが出来ないので、立てているようなもん。）

LAN側IPとサーバー側のホスト名の設定をしてＯＫです。



編集中に気が付いたのですが、キーボードレイアウトが変更できます。両サイドを手で持って打つなど好みで変更できます（３パターンくらいあったような気がします）



後の動画でも見れますが、画面右側から中に向かってフリックすると、メニューが出てきます（デスクトップのスタートのような感じ）、そこから Search - App で全てのプログラムのような感じで、この画面にアクセスできます。
メトロスタイル対応は、そのままメトロ画面？で起動して、従来のデスクトップアプリは、デスクトップに代わってから起動します。

＊上の hosts を編集する為には Notepad を管理者権限で起動させる必要があるのですが、長押しで右クリックになるはずが、どうにもメニューがでません。
色々やっていたら、押してずらして離すと下に Advanced とか Pin（タスクバーに設定する機能）が出てきて、Advanced を選ぶと管理者権限で実行（Run as Administrator）が出てきました。



DP はそもそも開発者向け版なので、開発者らしく動作テスト。Internet Explorer 10 で PMail Server の Webmail を動かしてみました。
まったく問題無しで動きます。
ただ、JavaScript のドラッグ＆ドロップだけ動きません。
おそらく OnMouseDown とか OnMouseUp イベントを OnTouchDown / OnTouchUp とかに置き換えれば動きそうな気がします。

それ以外の JavaScript は全然問題なさそうです。



標準で入っているメトロスタイルの Twitter クライアントです。
おまけで入っている割にはきっちり使えます。



タスクマネージャーです。
今までのタスクマネージャーと違って少しグラフィカルになっています。変わったのが Status という項目があって、バックグラウンドで動いているアプリがある程度時間が経つと Suspend という状態になります。
おそらく省電力の為の処理かと思いますが、API で制御も出来そうですね。



どうかなー？と思って、PMail Server 2.01 をインストールしてみたのですが、普通に動きました（笑）
IconiaTab に PMail Server をインストールして、ファイヤウォール外して、Windows7 から telnet で SMTP ポートに接続。全然問題ありません。（右下は SMTP ログ）
まぁ、.NET とかそんなん一切使っておらず Winsock2 を直叩きしていますので動いて当然なのですが。

あと普段使っているツール系アプリなどを実行してみましたが、大抵の物が動きました。
インストーラーからインストールが必要なものは、まだ微妙かもしれません。（だから PMail Server は頑なにインストーラーを付けないという話も）




Windows エクスペリエンスインデックスのスコアは 2.7 でした。
IconiaTab W500 のスペックは、そんなに高く無いので、妥当な線です。



この動画を見て頂くとわかりますが、スコアが低い割にはサクサク動きます。
シャットダウンから起動してちょいちょい動かしていますが、ストレスはありません。
驚いたのは起動時間で、ハードの電源On から、ログインまで数秒です。（サスペンドさせた場合は、ほぼ瞬間で起動します。）
プリインストールした状態で特に常駐ソフトなども入っていない状態なのですが、これなら電源落として電源を入れる（デスクトップならばサスペンドで良いですが、タブレットで持ち運ぶ場合はバッテリーの持ちを良くするために、やっぱり電源を切りたくなりますからね。）


全体的に前評判通りにタブレットPCに特化していますので、タブレットOSとして使う分には良く出来ていると思います。
かと言ってデスクトップOSとして使う場合は、微妙かなぁ？と。
個人的にはデスクトップは Windows7 のままで、タブレットPCは Windows8 が良いんじゃないかなと思います。

Windows8 は賛否両論のようですが、そもそもタブレットを前提にしてカスタマイズされた Windows7 （という印象です。私は）を、マウスとキーボードのまま Windows8 にして「操作し難い」とか「出来が悪い」と言うのはなんか違うんでは無いかと。

まぁ、Microsoft も「デスクトップは Windows7、タブレットは Windows8です！」的な扱いでは無く「Windows7 の次は Windows8 です！」としてしまっているのが問題なんですが。

タブレットやスマフォ系ハードの「新規販売数」が増えていると言っても、今まで動かしているデスクトップを所有している「既存の販売台数」は膨大にある訳なので、完全に舵を切り替えてしまうのは、なんだかなぁとも思います。

うちは、iPod Touch や iPad / IconiaTab などタブレット系ハードは３台ありますが、いわゆるデスクトップ・ノート系ハードは、８台(Winx7 Macx1)くらいありますので、その Win系ハードを Win8 にするか？と言われると、多分しません（笑）

いつかは、タブレット・スマフォ系のハードがデスクトップ系ハードの数を逆転するのは確実ですので、そういう意味では早くもありませんが、こちらに舵切りされていくのは歓迎です。
あと、開発者の心理としては「WindowsOS でまだ戦える（仕事が出来る）」ってのもあります（笑）