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静岡県浜松市であれこれソフトを開発している A.K.I Software のブログです。日々の開発日記やサーバー・セキュリティ関連の話題なども掲載。
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Powered by BLOM 複数セッションで色々動かしてみました
小さくも大きくも閉じたりもしません
09/07/05 06:26 / サーバー管理Tips

PPPoE 接続している場合など複数のセッションで接続が出来るのですが、ある程度の規模にならないと複数セッションでの接続はしませんので、余りピンときません。
色々とやってみようということで、複数セッションでの接続をやってみました。(固定IP1 の環境での話です)

複数セッションの目的として回線を維持するのが一番の目的です。例えば1セッションで接続している場合に、この接続に使っている ISP1 にトラブルが発生し接続が切れた場合当然インターネットを利用することは出来なくなります。
こういう場合に、ISP2 とも契約をしておき2セッションで同時接続しておきますと、仮に ISP1 がダウンしても ISP2 経由で、逆に ISP2 がダウンしても ISP1 経由で接続は維持されることになります。
絶対に止められないサーバーなどを運用する場合は、保険の意味で複数セッションを使って回線を維持する必要が有る訳です。

複数のセッションで接続するパターンは2つありまして

1)1台1セッションで接続する。
ルーター等を使わずにフレッツ接続ツールなどを使ってPCから直接 PPPoE 接続する場合です。余りやりません。

2)ルーターの機能を使って接続する。
殆どのケースはこちらになると思います。現在のルーターの殆どは複数セッションに対応していますので、ルーターの PPPoE 設定に複数の接続先を登録して同時に接続します。

フレッツ回線の場合は一般ユーザー向けで同時2セッションまで接続できます。ビジネス用ならばもう少し多いです。

さて、固定IP1 での環境の場合になるのですが、PPPoE 接続をして固定IPの払い出しがされますと、殆どのISP で接続時に毎回同じIPアドレスが割り当てられるようになります。

セッション1(ISP1)の接続で払い出しされる IP アドレスが 10.0.200.50 だとします。
セッション2(ISP2)の接続で払い出しされる IP アドレスが 10.0.100.100 だとします。
サーバーのドメイン名は example.com とします。

同時に接続してみると、1つのルーターに2つのグローバルアドレスが割り当てられました。妙な感じですがどうやら動くようです。
ただし注意点が2つあります。

一つは、複数のセッションで接続していたとしても端末が利用するのは主セッションと呼ばれる第一セッションのみです。2セッション目はあくまでもバックアップですので速度が2倍になるとかはありません。(設定によって分散させることは可能かと思いますが)

もう一つは、主セッションで接続した回線で主セッションで接続したISP1以外から払い出されたIPアドレスが利用できないケースがあります。今回行ったケースでは主セッションに ISP1 を指定して、副セッションに ISP2 を指定した場合は、どちらもOKだったのですが、逆にした場合、主セッションのみしか利用できませんでした。(ここでいう利用できないとは、外部からのアクセスです。内部から外に出る場合は問題ないと思います)

ネットワークは下記のように構築されています。
photo

さて、ここからです。
中から外へのアクセスは良いのですがサーバーですので外から中へのアクセスを確保する必要があります。
WAN から LAN へのパケット転送はルーターにあるポートフォワード(アドレス変換)等の機能を利用してサーバーに転送します。
これでルーターに来たパケットはサーバーに転送されるようになります。
お次は、example.com にアクセスした場合、ISP1 と ISP2 どちらかに来るようにしなければなりません。
当然、ドメイン名と IP アドレスも紐付けを行うのは DNS サーバーになりますので DNS サーバーに設定を行います。

IP アドレスからの逆引きは1対1でしか出来ませんが正引きは複数のIPアドレスを割り当てることができます。
一例ですが、こんな感じです。

--- example.com.conf

IN MX 10 mail1.example.com.
IN MX 20 mail2.example.com.
IN A 10.0.200.50
IN A 10.0.100.100
ns IN A 10.0.200.50
www IN CNAME ns
mail1 IN A 10.0.200.50
mail2 IN A 10.0.100.100

www.example.com は 10.0.200.50
mail1.example.com は 10.0.200.50
mail2.example.com は 10.0.100.100
になります。

メールサーバーは、MX で優先順位を設定することができます。通常時は MX 10 の mail1.example.com に接続されますが、mail1.example.com に接続できない場合は、次の mail2.example.com に接続するようになります。
(www は1つだけ指定していますが、優先順位は無いものの同じように設定をすればおそらくブラウザが判定して接続すると思います。)

DDNS を利用する場合はわからないのですが、上記のような設定が出来る場合は、おそらく DDNS でも出来るとは思います(未確認)

マルチセッションを使った接続はもう1つ有用?な使い方があります。
それは サーバーの IP アドレスを変更して DNS を変更する場合です。(ISPを切り替える場合など)

DDNS が使われるようになって、DNS の浸透も以前に比べると早くなりましたが、確実を期するにはやはり1週間くらいは様子を見たいです。
いきなり、DNS を変更しますと DNS が書き換わっていない箇所からは当然アクセスが出来なくなりますので、その間サーバーは実質停止していることになります。
そのような場合にマルチセッションを使って同時に接続できるようにしておいて、DNS を変更しますと、DNS が書き換わっていない所は旧IPアドレスにアクセスし、書き換わった所からは新IPアドレスにアクセスするようになります。
どちらのIPアドレスにアクセスがあっても、ルーターのポートフォワードによりサーバーまで到達しますのでアクセスが可能になります。
ある程度 DNS が浸透するまでその状態を維持して、1週間ほど経ったら、主セッションを ISP2 に切り替え、ISP1 を停止すれば切り替え完了です。(この記事を書いている時点で ISP 切り替えの為、実際にこれをやっています。)

[更新日付:2009/07/05 06:26:44]
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